
目次
Dockerの概要
Dockerは、アプリケーションとその依存関係をコンテナとしてパッケージングする技術です。これにより、開発環境と本番環境の差異を最小限に抑えることができます。
コンテナとは?
コンテナは、ホストOSのカーネルを共有しながらも、独立した実行環境を提供します。
- 仮想マシンよりも軽量
- 起動が高速
- リソース使用効率が高い
Dockerの動作レイヤ
Dockerは、以下の3つの主要レイヤで構成されています。
イメージ層
- アプリケーションやライブラリなどを含む不変のファイルシステム
- コンテナの元となる
コンテナ層
- イメージを基に作成された実行中のインスタンス
- 変更はこの層に保存され、一時的なもの
ボリューム層
- 永続的なデータ保存のための領域
- コンテナ削除後もデータは保持される
Dockerの動作原理
Dockerは次の2つのコンポーネントで動作します。
- dockerd(デーモン)
コンテナを管理する常駐プロセス - docker CLI
ユーザーがコマンドを通じてdockerdに操作を指示するインターフェース
例:
docker run nginx
このようなコマンドを通じて、コンテナの作成・起動・停止・削除が行えます。
Docker Composeの概要
Docker Composeは、複数のコンテナを組み合わせたアプリケーションを定義・管理するためのツールです。
設定はYAML形式のファイル(docker-compose.yml
)に記述します。
サービス定義の例
version: '3'
services:
web:
image: nginx
db:
image: postgres
このように、Webサーバやデータベースなどの複数のサービスを簡潔に定義できます。
WSLとの統合(Windows Subsystem for Linux)
WSLを活用することで、Windows上でもLinuxのような環境でDockerを使うことができます。
WSLの利点
- Linuxコマンドやツールを使用可能
- WindowsとLinux間でシームレスなファイル共有
- Docker DesktopがWSLと統合され、効率的な動作が可能
Docker使用時の注意点
Dockerを使う際には以下の点に注意が必要です。
- コンテナは基本的に一時的:重要なデータはボリュームに保存する
- リソース制限(CPU/メモリ)を設定することで、システム全体の安定性を保てる
要約
- DockerとDocker Composeは、環境差異を解消し、開発・デプロイの効率を向上させるツールです。
- WSLを活用することで、Windows上でもネイティブに近いLinux環境で開発できます。
- 適切なレイヤ設計とリソース管理により、安全で効率的なコンテナ運用が可能になります。